高村光太郎はやっぱりすごい詩人

国語の問題を作るにも著作権の関係があるため、詩などは没後50年以上の詩人の作品から採ると面倒がありません。で、買ってみた高村光太郎詩集(新潮文庫・伊藤信吉編)。

「自然と一体化した境地」といわれますがその通り。
智恵子抄は有名だし、ほかにも、いろいろ
いい作品があるのですが
今回、特に心に来たのがこれでした。同書176-177p


手紙に添へて


どうして蜜柑は知らぬまに蜜柑なのでせう
どうして蜜柑の実がひつそりとつつましく
中にかはいい部屋を揃へてゐるのでせう
どうして蜜柑は葡萄でなく
葡萄は蜜柑でないのでせう
世界は不思議に満ちた精密機械の仕事場
あなたの足は未見の美を踏まずには歩けません
何んにも生きる意味の無い時でさへ
この美はあなたをひきとめるでせう
たつた一度何かを新しく見てください
あなたの心に美がのりうつると
あなたの眼は時間の裏空間の外をも見ます
どんなに切なく辛く悲しい日にも
この美はあなたの味方になります
仮りの身がしんじつの身になります
チルチルはダイヤモンドを廻します
あなたの内部のボタンをちょつと押して
もう一度その蜜柑をよく見て下さい



これはもう、菩薩の言葉です。
ほんとうに、世界の美は、生きる力をくれます。
二男を亡くしても、早朝、ごみ出しに行くときの空の様子や
鳥たちの声や姿に、道端の草や家々の庭木の花に
いつも、支えを、もらっています。ありがたいです。

どうか光太郎の詩の中の「あなた」も
世界の美しさに心を開いてくれますように
風を通して、運びに乗って、
世界とともに、進んで行ってくれますように

そして
これからの子供たちが
世界のそういう美しさに
打たれる心を
育ててもらえますように。
(センス・オブ・ワンダーです)



それにしても、
光太郎だけでなく、近代の詩を創った
たくさんの人たち。
「詩」という表現のしかたを、拓いてくださってありがたい。
すごかったですねー、みなさん。

ほかにも文庫の詩集をいろいろ買ったので
読んでいきたいと思います。
いい詩にあたると泣けて困るけど……

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この記事へのコメント

さと
2013年05月15日 07:14
私も光太郎大好きです。「きっぱりと冬かきた」 とか「のっぽの奴は黙ってる」とか…中でもその昔、若い私を励ましてくれたのが「火星が出ている」でした。彫刻も書も大好きです。
突然にすみません。
ようむ
2013年05月15日 14:23
コメントありがとうございます!!
光太郎、今読んでも全然古くないですよね。
「天然の一片」。よい言葉です。

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